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活動報告

“子どもの権利条例”制定をめざして
ユニセフのつどい2010inふくしま/開催報告

・・・10月2日(土)、コラッセふくしま多目的ホール・・・

 (財)日本ユニセフ協会福島県支部は、毎年秋に“ユニセフのつどい”を開催して、その時々の状況に応じて様々なテーマで、ユニセフ会員の皆さんや市民の皆さんと一緒に考え、深めてきています。

 昨年は、「子どもの権利条約」制定20年を記念して、講演と映画によって子どもの権利について、子どもの人身売買・性的搾取、臓器売買など、私たちが知らないところで大変な事態が進んでいることを学び、驚愕の真実に、大きな驚きを感じました。

 昨年の“ユニセフのつどい”(アンケート)で出された「子どもの権利条例の制定を進め、未来を担う子どもたちが生き生きと育ってほしい」との参加者からの思いを受け、今年は子どもの権利条例制定に向けて、更に学習することを主眼にお二人の先生のご講演をお聴きしました。

 かつて日本ユニセフ協会で広報室長として活躍され、東京工業大学特任教授を経て、現在尚絅学院大学教授をされる一方、子どもの権利活動家として各地で活動されている森田明彦先生に「世界は友だち〜ユニセフと子どもの権利条約〜」と題してご講演をしていただきました。

 先生は「国際人権レジームの歴史と現状」と「賀川豊彦、ユニセフ、国連子どもの権利条約」の二つの柱でお話しされました。国際人権の歴史について「世界人権宣言」から、また「子どもの権利」については「子どもの権利に関するジュネーブ宣言」から、大変わかりやすく解説されました。また賀川豊彦が「ジュネーブ宣言」に先駆けて6つの「子どもの権利」を訴えておられたことが紹介され、生協関係者の皆さんにも初耳で、まさに「眼から鱗」の思いでした。

 次に、川崎市生涯学習財団理事長の小宮山健治様から、「川崎市の子どもの権利条例〜その制定から今日まで〜」と題して、大変先進的な実践事例をご紹介いただきました。

 小宮山様は、かつて中学校教員をされ、その後の教育委員会・指導主事の時から「子どもの権利事務局」を担当されて市の「子どもの権利条例」実現、更に堅実な実践の継続をされてきました。条例の主役たる「子ども」たちが条例制定過程の様々な場面に関わり、制定後においても子どもたちが主体的に参画している、このことが川崎市において「子どもの権利条例」が実のある条例になっている核心であることに参加者一同「納得・理解・共感」することができました。特に最後に紹介された「子どもたちからおとなへのメッセージ」には、感涙を誘うものがあり、もっともっと多くのおとなに伝えたいと思いました。

・・・賀川豊彦「子どもの権利」・・・

子どもは、食う権利がある。
子どもは、遊ぶ権利がある。
子どもは、寝る権利がある。
子どもには、叱られる権利がある。
子どもは、親に夫婦喧嘩を止めて乞う権利がある。
子どもは、禁酒を要求する権利がある。

・・・子どもたちからおとなへのメッセージ・・・

まず、おとなが幸せにいてください。おとなが幸せじゃないのに、子どもだけ幸せにはなれません。おとなが幸せでないと、子どもに虐待とか体罰とかが起きます。
条例に“子どもは愛情と理解をもって育まれる”とありますが、まず、家庭や学校、地域のなかで、おとなが幸せでいてほしいのです。子どもはそういうなかで、安心して生きることができます。

・・・参加者の皆さんの感想文から・・・

講演「世界は友だち〜ユニセフと子どもの権利条約〜」

「子どもの人権を守ることは、日常生活の中、特に家庭の中で、子どもがありのままに受け入れられ、安心して生活できることだということが、よくわかった。
あたりまえのことのようだが、そのあたりまえのことを実現することが、努力を要する非常に難しい問題だと思った。」
「日本の生協を作った賀川豊彦が、ユニセフに関わっていただけでなく、今から80年以上も前に“子供の権利”について提唱していたという事におどろきました。」

講演「川崎市の子どもの権利条例〜その制定から今日まで〜」

「私は“18歳未満の人”を“子ども”としている定義に従えば“子ども”になるのですが、川崎市の子どもたちが「川崎市子どもの権利条約」の制定までの2年間、委員会所属、討論参加を通して、そんなにもしっかりとした意見を持ち、自分たちのこととして一生懸命考えていたことに、驚きました。私は“子どもの権利”だとか、そういうことを考えたことがありませんでしたから。私たち子どもは、もしかしたら、実際「子どもの権利条例をつくる」という動き、つまり、きっかけを得られれば考えはじめるのかもしれません。(全ての人がそうではありませんが)ですから、ぜひきっかけとなるような動きを提示してもらえればと思います。」

“子どもの権利条例”を制定する運動について

「世界に目を向けることと、自分たちが住んでいる地域の子どもたちの育ちにもかかわること、両方を大切にしたい。条例完成までの道は険しいと思いますが、スムーズに進められるよう、陰ながら応援したいと思います。今日は収穫の多い研修ができたと感謝しています。」

講師:森田明彦先生 講師:小宮山健治様
ごあいさつ:花田勗会長 閉会:熊谷純一副会長
“眼からうろこ”・・・熱心に聴き入る参加者
 
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